Shocked and Persuaded My Soul to Ignite: The Ogasaka Facet
The Testers
仲間のテスターや過激な奴らでこの記事は書かれているんだけど、コリンバルケとラリーバンクスに感謝します。ありがとう! 今シーズンはイアンのスプリットボード歴12年目でギアのテストを始めてからは7年目だ。イアンはコロラドでバックカントリーを始めたが、彼を虜にし、現在のようなライダーに仕立て上げたのは他でもないティートンズだ。彼のスプリットボードのルーツはスノーサーフとバートン、ヴェンチャー、ジョーンズ、メルビン、K2、ロシニョール、トラッパー、ボレー、などの山系ギア、そして今やオガサカもだ。彼は身長180cm、体重80Kgで足のサイズは28cmだ。彼はフィットウェルのバックカントリーを身に着け、サロモンのマラミュートブーツ、そしてカラコラムのSLプライムを使用している。
場所:
イアン:重い春雪のティートンズ頂上から暗くて狭いシャモニのク-ロワール、そしてスイスとイタリアのアルプスで偶然出当たったシーズン終わりの底なしパウダーまで、オガサカのファセットはイアンによって今春、徹底的に乗りこまれた。
ラリー:パンハンドルバックカントリードットコムの共同制作者の一人で30年のスノーボード経験と11年のスプリットボード経験はイケてる珍しいギアやクールで面白い人たちとの親交に繋がっている。すらりと伸びる220ポンドのツイストスチールでの登場から、バインディングとブーツの壊し屋、パンツ、ジャケット、グローブの破壊者だ。スノーモービルも運転する。ラリーは南セルカークの頂上やビッタールート山でのガタガタのアイスバーン、軽いパウダーから重いパウダーまでファセットの能力を最大限引き出した。
コリン:スプリットボードドットコムの編集員で業界屈指のナイスガイ。男の中の男、まさに伝説。コリンはシエラをホームと呼ぶイケメン紳士で家庭的な男だ。ファセットの試乗は今期、彼を沿岸のバックカントリーや北シエラまで導いた。

Ian Tarbox

Larry Banks

Colin Balke
閃光といくらかの興味:
“日本のスプリットボードだって?” 私は率直に日本ではソリッドボードでスノーシューが普通だろ?と思った。gentemのチョップスティックのことは以前聞いたことがあったからだ。しかしながらどうして私はgemtemやMOSSで皆が美しいターン楽しんでいることは知っているのにオガサカのことは一切知らなかったのだろうか?オガサカのボードデザイナーのヤスシと話した後、私はこのスプリットボードを誕生させるために注いだ忍耐と精巧さを知り、またそれゆえにこのボードのことをいままで知らなかったのだと理解した。現状の重たいビンディングやギアでは満足な滑走性能を得ることが出来ない、だから製品には出来ない。3月の終わり、ちょうど私のもとにファセットが届いたとき、そのような考えはアメリカ人の私の頭の中にずっと引っかかっていたことだった。

ファセットが着いたときティートンズのコンディションはこの上ない状態だった。安定した腹パウで透き通るような青空
ここに至るまでの話:
ちょっと話をさかのぼってみよう。このレビューは必然的に私のもとに落ちてきた。運命に感謝、そしてスプリットボードドットコムとパンハンドルバックカントリーの仲間たちに感謝だ。3月、私は某有名ブランドの新しいカーボンスプリットボード(名前は伏せます)を5日間で折ってしまった。たった5日間!信じられない。乗り味は非常に好きだった、しかし耐久性については…、そんなもんかな。さらに悪いことにそれはヨーロッパのアルプストリップの1週間前、そしてコンディションの良い3月にかけてのティートンズの春のプライムシーズンに悪い意味で高性能な板を求めてしまっていたようだ。予備のボード、ベンチャーストームとK2のウルトラスプリットがあるし…、しかし私の中の何かが新鮮さを求めていた。選手レベルのライディングについて来られるスピード、性能、耐久性を持つスプリットボード。
数多くのハットトリップやガイドツアー、深く長く続くアルプスの岩溝など、28日間、海を渡りながら滑りまくる私にはほぼ奇跡が必要だった。あるスプリットボードに照準が合わされた。私の旅のパートナーは天才山岳家で当然ダイナフィットの最軽量で最速の最高級セットアップだ。だから私はスプリットボードドットコムのコリンに連絡した、何か特別なスプリットはないか?彼はラリーと一緒になって戯言のように話題にしていた日本のスプリットボードがあるという。よし、ではテストしてみようじゃないか!

フラリーバンクスの見本のようなヒールサイドターン、アイダホ、パンハンドルの何処かで
シェイプ:
箱から出して手に取っていろいろ眺めるとまるで宝石のようだったと言える、というのはその外形からじっくり1つ1つのラインを確かめると、その昔熟練のサーブボード(スノーサーフ)のシェイパーから習ったもの、まさにそれを感じたからだ。もうちょっと詳しく見ていこう。緩やか、かつきれいに潰れたテールとそれに上手く調和したロッカーノーズ。はじめ見たときに私にはちょっと長いかなと思った(164)。しかし外形のなめらかとさり気ないながらも非常に綿密に計算された有効エッジとサイドカットが絶妙に組み合わされているなという印象。手でボードを押してフレックスしてやるとどうなるか見てみた。この外形の中にある芯材は非常に自然でかつバランスがとられていると感じる。ファセットのフレックスパターンは明らかにテールが硬いのがわかる、私はビッグウェーブシェイプ好きであり、まさに私の好みだ:足元による操作を多用してもテールがしっかり安定する、そしてノーズにはある程度浮力がある。シェイプだけ見ていると夢に見ていたような壮大な場面でのライディングを連想させる…

中国産の桐、日本産の沢ぐるみ、北アメリカ産ポプラ、北アメリカ産メープル、そして日本産ビーチが組み合わされたコアはそのフレックス、反発、振動吸収においてしっかり考えられている。あとで分かったことだが綿密な芯材のコントロールはオガサカのこだわりでもある。1つの芯材が出来上がるまでには自然乾燥、人工乾燥、湿度コントロール、特殊加工、保管方法、温度コントロール、など3年以上を費やす。ヤスシ(小賀坂の技術長)は言う、実際にオガサカはアジアのスキーファクトリーで最も古い1つでありそれは1912年にさかのぼると。私はファセットの乗り越えてきた試練や経験とヤスシが成し遂げてきた材料の選定や技法などを聞いて以来、ファセットは世界で最も優れたスプリットボードの1つであると、すっかり洗脳されてしまった。彼はほんとにヤバい科学者だ!
木の美学。すべて適材適所に収まり… リズムを感じ、ノってくる、さあ、立ち上がってスプリットボードタイムだ
キャンバーとロッカーのプロファイルも流れるようなスムースさでターンには必要不可欠なもの。さらによく見てみると、ラリーが指摘したことで発見もあった、エッジの接続部に凹凸が一切ない。つまりそれだけ精巧にデザインされ作りこまれたスプリットボードだということ。重量的には異様なほど軽くて俊敏。どんなものを使えばこんなに軽くできるのか我々3人とも疑問に思っていたが、カーボンの比重を多くすることで軽量化しているのだろうと本気で思ったほどだ。


コリンとレイクタホのドナーで
私にとってファセットはあらゆる雪や斜面、山をごちそうに変えて“楽しい!”と叫びたくなる条件を満たした、それは一日の中で状況が刻々と変わる何千メーターもの山を下るのに多様性と適応能力は絶対に必要な事である。ヤスシはおすすめスタンス位置をテープでマークしてくれていた。それに対して春のパウダー向けにスタンスをちょっと狭くしてセットバックを多めに入れた、すべてがしっくり来た。さあゲームまだまだこれからだ!

ティートンでのテスト
私はアルプスミッションの前に、近場の裏(グランドティートンナショナルパーク)でファセットを数回試してみようと思った。まずはロープが何本か必要な険しい岩溝、斜度45度以上のドッグレッグライン、そして狭いアイスクラックスのあるヤバい場所だ。ファセットはフラットな2マイルのアプローチでは非常に良く、軽くて速い。続いての登り、アンカーの役目を果たしてくれる高山帯の木々が生える半吹きさらしの尾根でのスイッチバックも全く問題ない。足下のプランク(板)も軽くて安定しているため深いスキントラックを簡単に潰せるしキックターンも軽快に出来る。フラットに近いキャンバーを持つスプリットボードということでファセットの5mmのキャンバーをツアーのすべての状況で楽しんだ。


テストを始めよう!グランドティートンナショナルパークの闇側
険しく狭い斜面こそファセットが輝く場面だ。156cmの板を履いたようなジャンプやカービングをする。とても164cmとは思えない。クラシックティートンの岩溝の初めの2/3は“ノーフォールゾーン”となっているが100m続く氷の狭いリュージュコースのようなアイスクラックスの中、一度として不安要素を感じることはなかった。私が言っているのは幅が120cmしかなく、斜度と長さもあり、ほとんど板をストレートに出来ないような場面だ。SWコロラドのサンジュアンマウンテンの谷に似ている。シエラではコリンが私と同じような感覚をファセット159cmで感じていた。コアの構造とキャンバー、そして鈍くて硬いテールによって、ボードはターン中に凄いエネルギーを吐き出し、地形ではすごい反発を生み出している。“私はアイスクラックスでは避けられない動作であるボードをたわますということにちょっと違和感があった”。 私が思うに最後にボードを折ってしまった時のトラウマでちょっと神経質になりすぎていたのかもしれない。とにかくこのボードを(ツアーに)送りだし(これはギアテストだよな?)、このボードは素晴らしくやり遂げたのだ。


悪名高きティートンクラシック頂上付近での超重要なキックターン
私はヨーロッパへ旅立つ前にこのパークにある妖美なラインを何度かスキーモードでも行こうと思っていた。このスプリットは登りではしっかり食い付き、下りでは熱いナイフでバターを切るかのようなパフォーマンスだ。それが胸長けのパウダーだろうが青氷の上だろうがファセットは信頼出来るという確信を得た。楽しいライディングをする時は、私は普通代わりのボードを用意するのだが、ファセットのノーズとテールだと十分に面白くて楽しいライディングが出来る。詳しいライディングについては次に続きます。

命綱をほどき、アンカーを打つ、ティートンで
アルプステスト:
フランス、スイス、イタリアを滑る間、ファセットは自身が大きな強みであることを証明して見せた。我々は辛いリサイクルパウダーからグレートコーン、楽しい緩いパウダー、危険なウェットスノー、軽いパウダー、再び楽しい緩いパウダーを経験した。その通りの順番で。シャモニでは数日暖かい日が続いたが、その時はトラムやゴンドラ、リフトを使ってオンピステを滑ろうと決めた。オーリーやジャンプが心配なくこなせる地形で遊ぶのは外の世界の危険な濡れた岩で命を危険にさらすよりはるかに面白い。看板やロープの上を軽く超えていく、しっかりしたキャンバーと硬めのテールのおかげだ。そして芸術的なターン… 私がこのような形でファセットの完璧なカービングターンを絶賛するのはちょっと場違いかもしれない。ジェフスティールがうまくそこは表現している、“このボードはカービングボードに他ならない”と。

バレドブランシェとアルゼンチンの氷河は海底であったことを記す地表が残るホントに大きな山々があるところだ。死のベルクシュルントの上にあるノーフォールゾーンを登っている間、キャンバーとシェイプはしっかり安定が保たれていた。個人的に登りではもう少しフレックスが硬く、前に乗っていたカーボンスプリットであったようなインエッジのマグナトラクションが好ましいということが分かった。オガサカではファセットのハードフレックスバージョンをこの春(私がアルプスにいる時くらい)にリリースしている。ボードフレックスが30%硬く、より体格の大きなライダーや多くの荷物、たくさんの積載に対応したものだ。現状で夢のように乗れる今のファセットよりさらに気に入るかどうかはわからないが死のベルクシュルントでさらなる安定感があるのならそれはそれでいいかもしれない。

結局、長いボードはより大きな表面積で地面をとらえることが出来るのだが、加えてこのサイズでもキックターンの邪魔をするようなことはなかった。私とラリーは「5mmキャンバーは上りでいい感じだ」と、一致した意見だった。下りではボードの動きが俊敏で速い、かつ安定感もあってパワフルだ。登り、下り、両世界でベストなのだ。ウィスラーでの帰り際にゲレンデをぶっ飛ばして乗っているとき、コリンは気が付いた “ボードはすごく切れる、かつ予測通りの動きをしてくれる”

斜度がきつくなってきたら、全力だ。姿を現したコルデクリスタウクスの山肌、
シャモニでの暖冬による撤退前の最後のツアーで
フランスのアルプスはすぐに雪が腐って嫌がらせを受けるので、ポルトガルに戻ってサーフィンをしていた。ツエルマットとシルビニアの遅い春の深雪のコンディションになってからようやく戻って来た。アルプスのこの地域は豊雪シーズンが過ぎても雪はエンドレスにある。我々は幸運にも6日間で2.5mもの積雪に恵まれた。このことはファセットのテストに最高の環境をもたらしてくれた、見渡す限り、ノートラックの大きなラインが何本もある。スタンスを狭くしてセットバックを増やした。私がファセットをどんなに深い雪に放り込んでも全く問題なく浮力テストに合格した。

イタリア シルバニアの夕方、トラムでのライド --- 数日間で付いた数本のトラック
時に見た目から恐い場所はある、しかしシェイプに信頼があればしっかりラインを読み、山の輪郭に沿って滑るということはこの上ない喜びになる。ヨーロッパの最初のトリップで私はファセットが導かれるようにナチュラルバンク、ボウル、ヒップ、エンドレスウェーブなどの地形に適応していくことに驚いた。ファセットのターン中の加速や時にバックサイドビッテリーをやってみた時のエッジホールドなど、その能力は異様なほど素晴らしい。164cmファセットはジェリーロペスが乗りこなしたバンザイパイプラインのようにすべての要素を乗りこなした。まさに夢のようだった。まるでヤスシがアルプスの大きな山々を知り尽くしてボードをデザインしたかのように。

最終結果:
30日間のツアー、5日間のリフト、ゴンドラ、トラム、そして電車まで使った滑走を終えて、このスプリットボードは様々なレベルで際立っていた。ファセットの研ぎ澄まされた能力は乗り手がファセットをどんな環境に放り込んでもびっくりするほど素早く適応する。その構造に注ぎ込まれた時間、エネルギー、そして集中力は常にドキドキワクワクを与えてくれると言っても過言ではない。あらゆる雪質においてファセットの鞭のようなフレックス、反発、カービング、スナップ、エッジホールドの能力はまさにスノーサーフィンや、ビッグマウンテンスノーボーディングそのもの全てである。唯一、3人共通のネガティブな点を挙げるならばトップシートの耐久性である。過酷な使用でトップシートで“カケ”してしまうことがあるが、K2のウルトラライトトップシートに似ている。もちろんこのことは見た目の問題だけで性能に影響はない。ヤスシは水の侵入を防ぐためABSをトップシートの下に配置している。いつも我々の先を考えている。18/19モデルではサイドウォールのスラントと面取り加工が施されているため似たようなカケが起こりにくくなっている。

(トラム、ゴンドラ、リフト、そして電車も使ったシャモニの山岳ツアー、
正真正銘のパラダイス、以外というべきだがファセットのホームのような場所だ)

わたしは経験豊富なライダーが1本でどこにでも旅にいきたいなら164cmをお勧めする。オガサカはより小柄なライダー向けに152cm(レディース向け)と159cm(ポプラコア)もリリースしている。もしあなたが中間サイズはないのか?と思うなら159cmに乗ったコリンの知識を参考にするといいだろう “私は普段、163-164に乗っているので159で浮力が大丈夫なのかちょっと不安だった。しかしこのボードは夢のように浮いてくれた、そして反応の良いショートサイズはスケートボードのようなフィーリングで乗れた”

冗談じゃなく、12年間あらゆる環境であらゆるスプリットボードを乗ってきたのに、このシェイプの構造とバランスが今までのどんなものより優れている。トップシートの剥離という欠点がないわけではないし日本外での代理店はほとんどない中、1300ドルという価格、それでもあなたがこのシェイプを手にすることが出来るなら、手に入れるべきだ。残念な結果になることはない!
ファセットとほかのモデルが気になるならこちらをチェック。